『地域再生の罠』が大学入試、地方公務員試験で出題される理由

 拙著『地域再生の罠』は毎年、幾つかの国公立
大学入試問題「小論文」で出題
されています。

 出題頻度が高いので、第一学習社さんの大学受験用参考書『小論文トレーニング』
2014年版に 『地域再生の罠』が収録される ことになりました。

 また、地方公務員採用試験(上級の面接)でも
『地域再生の罠』は、よく「出題される=質問項目になる」
ようです。

 大学受験生、地方公務員試験を受ける「若者」へ
著者として僭越ながら、受験対策のアドバイスをしますね。

まず、実際の入試問題として、北海道教育大学の入試問題 を クリックしてご覧ください。

 地域再生の具体的な 失敗事例を指摘できないと
「問題を解けない=問題を解決できない」
ことに注目しましょう。

 受験生・公務員に出題者が求めるスキルは、次の3点に集約されます。
1) 失敗を認める誠意・勇気
2) 失敗から学ぶ発想力
3) 失敗から政策を導く企画力

若い「学生&公務員」へ、出題者や世間が最も求めるスキルは、オヤジには無い
「失敗を認める誠意、失敗から学ぶ発想力、失敗から政策を導く企画力」
なのです。

『地域再生の罠』と『商店街再生の罠』で私は一貫して、オヤジが実践できていない
「失敗を認める誠意、失敗から学ぶ発想力、失敗から政策を導く企画力」

の必要性を主張しています。 

 こういう主張をすると「その誠意・力が無い、既得権にしがみつく」オヤジから、
誹謗中傷されることもあります。

 新しいコト&価値の創出には、既得権者からの批判はつきものです。 
新しいコトにチャレンジする若者や女性には、次2つを提案したい。

1)既得権者からの批判は「スルー」して、チャレンジを続けましょう!

2)「失敗」へ向き合う力&誠意が「いかに重要か、どのように習得するか」が 良く分かる
  1000円以下の良書、次4冊を読み、チャレンジ精神を更に高めよう!

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   『失敗の本質』久繁哲之介イチオシの引用:325~327頁
日本軍には、失敗の蓄積・伝播を組織的に行うリーダーシップもシステムも欠如していた(中略)
失敗した戦法・戦術・戦略を分析し、その改善策を探求し、それを組織の他の部分へ
伝播していくといことは驚くほど実行されなかった(中略) 大東亜戦争中
一貫して 日本軍は学習を怠った組織であった。



   『失敗学のすすめ』久繁哲之介イチオシの引用:294頁
新しいことを始めるとき、多くの人は先ず成功例に学ぼうとする(中略)
成功例を真似ることで一時的にうまくいくこともあるが、たいていの場合やがて
想定外のことが起こって最後は必ずダメになる(中略) 何故うまくいかないのだろうか(中略)
お手本を模倣することで、うまくいくと考える人の多くは、それ以外の方法について
「見ない」し「考えない」ようになる


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   『地域再生の罠』久繁哲之介イチオシの引用:10頁
地域再生施策のほとんどは「成功事例に倣う」という発想にもとづいている。
この「成功模倣主義」には大きな二つの欠陥がある。
1)専門家が推奨する成功事例のほとんどが、実は成功していない。
2)稀にある「本当の成功」は、異国や昔の古い話であり、しかも模倣がきわめて難しい。
(中略) 本質を考えない人は、えてして他人の言うことや成功事例を鵜呑みにしがちだ。



   『商店街再生の罠』久繁哲之介イチオシの引用:224頁
物は過剰に溢れて、物が売れない時代に、物を売るには「モノからコトへ発想の転換」が重要
であると、1990年代から言われています。 しかし、商店街など売り手側は今も尚
「顧客がしたいコト」には無関心で「商店主が売りたいモノ」をどうやって売るかばかり
考えています。 商店街が「モノを売りたい」なら、先に「顧客がしたいコト」を用意しましょう。


若者バカ者まちづくりネットワーク」主宰 久繁哲之介

テーマ : 自分自身で切り開く生き方
ジャンル : ビジネス

顧客と女性に「モテる」には? マニュアルに依存せず、エスノグラフィを!

顧客に「モテない=商品を売れない」オヤジ商店主と、
女性に「モテない=自分を売れない」未婚男性は、共通点が多い!

 一番の共通点は「モテる意欲が低い」こと。 それが、モテない本質なのに、
商店街再生や婚活に、自治体は本質はずれな補助金を投入して、効果を出せていない。

「モテる=売れる」男になるには、本人が意欲をもつことが必要不可欠です。

 顧客&女性に「モテる=売れる」意欲をどう引き出すかを、今月発売の拙著
『商店街再生の罠』(ちくま新書)で紹介した「エスノグラフィ」から導いてみます。

 外国人の観光客に「売れる商品&サービス」を考えて「売れ」!
という指令を受けた場合、あなたは、どういう調査企画を実施しますか?

 まず、外国人観光客の増加程度・どの国から来ているか等、データを見ます。例えば
「日本政府観光局が今月21日に「先月7月は月間の外国人観光客が初めて百万人を突破。
これは対前年度18%増であり、増加は東南アジアからの観光客による」と発表しました。

 こういうデータだけでは、商品企画はできないので、私は講演に行く先々
(電車内、レストラン、ホテル等)で「自分の目で、外国人の行動を観察」しています。

「行動観察=エスノグラフィ」から、私は次2点に注目しました。

1)アジア系の観光客は確かによく見るが、以前から多かった。今夏は
 欧米系の観光客を、非常に多く見かけます。

2)アジア系観光客の客層は(日本人と同様に)「中高年女性のグループ」が圧倒的に多い。
 一方、欧米系の観光客は、老いも若きも「カップル」が目立ちます。

 以上2点を、商品&サービス開発の「仮説」として使います。 つまり、
1)による違い= アジア系観光客と、欧米系観光客による 「お国柄の違い」と
2)による違い= 中高年女性の観光客と、カップル観光客による 「行動単位の違い」と
 どちらを重視すべきか? という仮説をもって、エスノグラフィを更に続けます。


 先日、名古屋から東京へ帰る新幹線(ひかり)に乗ると、車両の左側半分が
欧米系の若いカップルでした。 やはり、欧米人は「カップル文化」ですね。

 私は彼らを、米原から乗車したツアー客と推測しました。
なぜ私は、外国人に人気の観光地「京都でなく、米原から乗車した」と推測したのか?

女性の数人が「ひこにゃんの、ぬいぐるみ」を大切そうに抱いていた行動を観察したからです。
ひこにゃん等、ゆるキャラの商品開発に関しては「お国柄の違い」より
「行動単位の違い」を考慮した方が良さそうですね。

 
 新幹線に乗車30分後、面白いシーンを目撃しました。 
ひこにゃんを大切そうに抱いていた女性の一人がトイレか何かで
ひこにゃんを彼氏に預けて席を離れました。

 イケメンの彼氏は、ひこにゃんの「モテる秘密」を分析するような鋭い視線で
様々な角度から眺めた後、ひこにゃんを座席に叩きつけたのです!

 イケメン欧米人の、ぬいぐるみに「嫉妬する男心」は置くとして
「彼女が関心を示すコトを探る意欲」を、日本人の男性・商人は見習うべき!

 売れない男(商品を顧客に売れない商店主、自分を女性に売れない未婚男性)は急増して、
商店街再生や婚活に補助金を使うのが当然視される今、私は以下を提案したい。

「顧客や恋人にしたい人が何に関心を示し、関心事の魅力を探って、その一部でも
自分・自店の魅力に付加する」ことに、もっと貪欲に
なりましょう!


若者バカ者まちづくりネットワーク」主宰 久繁哲之介

テーマ : 地方自治
ジャンル : 政治・経済

受験生必見~なぜ日本の「商品づくり&まちづくり」は、成功事例の模倣が多いのか?

 受験本番まで、わずかですね。 本日は、受験生を応援する話題です。

 先日、飲食店で私達が注文していない物を、店員が持ってきました。
その後の店員を観察していると、その物を違うテーブルに持っていきました。

 私はピン!ときて、双方のテーブルナンバーを確認しました。 1番と7番です。 
1と7を区別して書き分けられない人、多いですよね。

 この飲食店で生じるミスは、注文入力がシステム化されていない「手書き」の店で、
注文を受ける店員がテーブル番号「1、7」を区別できるように書かない時に起こります

しかし「数字を書いた店員と、顧客は」会話で確認できるから、すぐに解決できます。

 一方、受験の場合「数字を書いた受験生と、採点者は」、1と7 どちらなの?と
会話=確認してくれることは絶対にありません
。 この場合、どういうことが起きるか? 

 記事タイトルに「受験生必見」という言葉を含めた意図が、ここにあります。

 私は数年前、愚息の中学受験に備え、学校説明会に何校か足を運びました。
ある男子校で、次の話を聞きました。

「毎年、受験生(小6男子)の2~3割が、1と7を区別できない書き方をします。
かわいそうですが、区別できない字は全て、正解とみなしません


 帰宅後、さっそく愚息に数字を書かせてみました。 区別てきてない…
私は次のアドバイスをしました。
 7の縦線は、角度をつけて斜めに書く。1の縦線は直っすぐ下ろす

 ちなみに、私が前いたIBMのアメリカ人は、7の縦線に短い横線を入れていました。
この習慣は、2とzを区別する為、zの斜線部に短い横線を入れる発想と同じです。


 似たものは徹底的に区別したがるアメリカ人と、そうでない日本人を比較すると、
日本の商品づくり&まちづくりが成功事例のマネが多い理由
に辿りつきます。

 アメリカ人は、似たモノを徹底的に区別(差別)する意識が非常に強い。だから
「人も個性こそ重要」で「他人のマネは愚か」だと、子供時代から徹底的に教育
されます。

 日本の商品づくり・まちづくりが、個性と魅力をもつには、まず
似たモノとは徹底的に区別(差別)化する意識が大切です!


若者バカ者まちづくりネットワーク」主宰 久繁哲之介

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?
(2010/07/07)
久繁 哲之介

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テーマ : 自分自身で切り開く生き方
ジャンル : ビジネス

増税前に、歳出を「供給者支援から需要創造へ」「コンクリート(箱物)から人へ」シフトして削減!

 増税前に、やるべき事=財源捻出方法は、いくらでもある
思いつくまま以下に列記する。

1. 歳出を「供給者支援から需要創造へ」「コンクリート(箱物)から人へ」シフトして削減!
2. 政治機能を被災地(福島)へ移転。 政治家は復興を「自分ごと」として取り組む
3. 2と並行して、永田町・霞ヶ関界隈の資産や公務員宿舎など資産売却!
4. 国会議員数を722人から100人程に削減。 落選議員は被災地で汗を流そう!


 上記は全て、久繁哲之介オリジナルの提案ではない。ここ数年の間に
国会議員が(国会やメディアで)言及したものだ。

 特に、2=「首都機能移転(経済機能は東京に残し、政治機能を栃木~福島か中部地方へ)」は
1999年から国会で議論され、移転先の福島県は以下構想を掲げている。
 http://www.pref.fukushima.jp/syuto/gaiyou.htm

 政治機能の福島移転は、日本の二大問題(被災地復興と、電力などエネルギー問題)に
かなり有効だと思う。なぜなら、首都圏の電力を、政治関連分だけ産業界に回せるし、
人は「自分ごと」だと、細部に気がつけて真剣に行動するから。


 1~4のうち、1は全国への波及効果を期待できるので
歳出を「供給者支援から需要創造へ」「コンクリート(箱物)から人へ」シフトして削減!
を、掘り下げて(分解して)考えてみたい。

①「供給者支援から需要創造へ」:2009年12月に民主党が設置した「成長戦略策定会議」で
 竹中平蔵氏が「経済成長を決めるのは供給側」と主張した。これに民主党は菅直人氏が
 「今の不況は需要不足だ」と反撃して「供給者支援から需要創造へ」シフト必要性を強調した。
②「コンクリート(箱物)から人へ」:民主党が政権を取った2009年選挙マニフェスト基本理念
③「無駄な歳出を徹底的に削減する」:民主党が政権を取った2009年選挙マニフェスト

 民主党の「主張やマニフェスト」は、それぞれ単独で見れば、実に魅力的に見える。
だから民主党は「政権を取れた=国民から支持された」のだが、①~③には問題が二点ある。
 
それぞれの主張が、その場しのぎで、全く結びついていない
それぞれの主張は、空手形で、ほとんど実行されていない

 ①~③を連携して実行すれば、すなわち
歳出を「供給者支援から需要創造へ」「コンクリート(箱物)から人へ」シフトして削減
すれば、増税せずに「地域再生、ひいては日本再生」は可能だと私は考える。

 以下にそのケーススタディを示すが、事例は読者が理解し易いよう
前回記事の「シャープ亀山工場」の話から始めよう。


 日本の地方都市は、「供給施設」「箱物」である工場を競って誘致してきた。
工場を誘致できれば「納入業者など関連産業への波及効果、雇用者増」が期待でき、
「地域経済循環率」を飛躍的に高めて、地域が再生すると信じられていたから。

 この神話は21世紀に入り、完全に崩壊した。
神話崩壊の象徴が、三重県に2004~2006年にかけて建設されたシャープ亀山工場だ。
 地元行政は以下2点の地域再生効果を期待して、シャープに135億円の補助金
(三重県90億円、亀山市45億円)を投じた。

①納入業者など関連産業への波及効果
②雇用者増 


①「納入業者など関連産業への波及効果」は、低い(と以下レポートが発表)。
  http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/report/report10-1013.pdf

 同レポートは「地元の既存企業と、シャープ亀山工場(の液晶事業)との関連性が低い」ことを
最大の問題として指摘している。つまり、自治体は135億円もの補助金を出すにも関わらず、
液晶事業と地元企業事業のいずれか、あるいは両方の分析が御粗末だったわけだ。

 解り易く解説しよう。これは、地方都市が補助金を投じて開発した商業施設に
「ファスト・フード飲食店」を誘致する構図と同じである。すなわち、誘致した
ファスト・フード飲食店(シャープ亀山工場)は、売上高(生産高)は非常に高いが、
地元生産者から食材(部品)を調達する比率(地域経済循環率)は非常に低い。

 そして、②考察で解るように、大資本の「ファスト・フード飲食店、工場」の雇用は
短期かつ低賃金の非正規が多く、地域経済循環率は残念ながら非常に低い。


②「雇用創出効果」は、三重県試算では第一工場だけで12000人を見込んだが、
 第二工場が完成した2007年の県内雇用者は第二工場を合わせても約7000人にすぎない。
 しかも、この数字には外国人雇用者や非正規雇用者が多く含まれる。

 事前試算と現実雇用数の差額は、誘致する自治体が
「地元の既存企業と、シャープ亀山工場(の液晶事業)との関連性」を
分析できなかった事と、シャープが地域外から安い労働力を調達した事に起因する。

 外国人居住者が急増した亀山市は、彼らへの対応など
予期しなかった対策を迫られることになる。
 亀山市が最も悩む問題は、亀山工場の雇用者が更に減少している事だ。
その理由は実にシニカルで示唆に富む。

 大阪府堺市がシャープへ、補助金244億円と税減免240億円を提示して
シャープ工場を誘致した。 2009年にシャープ堺工場が稼働し始めた結果、
亀山工場は主力部門が堺市へ移転して、工場稼働率=雇用者数が減少した。

 結果を見れば、大阪府堺市は補助金244億円+税減免240億円を投下して、
僅か5年前に三重県亀山市が135億円の補助金を使って建設した
「供給施設、それに付随する雇用」の一部を奪った
わけだ。

 この悲劇の発端は、堺市も亀山市も「供給施設」「箱物」である工場が生む魅力に
目を奪われ、「シャープ商品の需要」「地元の労働者・納入業者への需要」と
「地域間での誘致競争」問題を配慮できなかったことにある。

 需要が伸びない現在、「地域間での誘致競争」は深刻かつ厄介な問題だ。誘致すると
他地域(亀山市)の「施設撤退」をもたらすが、誘致者(堺市)にその自覚は殆どない。
 堺市にしても、一見「誘致競争の勝者」に見えるが、地元の市民団体は
「補助金244億円+税減免240億円」の投資対効果を問題視している(以下に参考記事)。
  http://www.jcp-osaka.jp/2009/05/244240.html

 以上に述べた「供給過剰」な状況で更なる「供給施設の誘致競争」は、
工場のみならず「商業施設の誘致、オフィスビルの建設」にも見られる

 
 商業施設もオフィスビルも工場と同じく、明らかに「供給過剰」だ。しかし、
コンパクトシティ等を名目に、都市部の駅周辺では大型開発が推進されている。
 
「供給過剰」下で、駅周辺に超大型の「商業施設、オフィスビル」が、建設されると、
条件の良くない(駅から遠い、古い、小さい)施設は利用者から見放される。
「条件の良くないオフィスビル」の空室率は、都市部でさえ20%を軽く超えているし、
「条件の良くない商業施設」は、撤退せざるをえない。

『地域再生の罠』で指摘したように、商業施設の「供給過剰」は非常に深刻だ。
にも関わらず、多くの地方都市が高額補助金を投入して大型商業施設を建設するが
「開業当初から空き店舗だらけ」という施設も散見される。

 
 民主党さん、以上のような「供給者支援」「コンクリート(箱物)」への
無駄な歳出(補助金)を削除すれば、増税は不要ですよね?
 そして、削除した歳出を「需要創造」「人」への投資にシフトすれば
「地域再生、ひいては日本再生」は可能ですよね?

 だって、民主党さんは「マニフェスト」や「成長戦略策定会議」で
それを約束して政権とったんだから。


若者バカ者まちづくりネットワーク」主宰 久繁哲之介

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?
(2010/07/07)
久繁 哲之介

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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

なでしこW杯優勝を機に「地域スポーツクラブ」と「女性活用」で地域活性化!

 なでしこW杯サッカー優勝から私は、日本の地域活性化に
「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」の必要性と有効性
を感じた。

 西欧都市の多くは「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」を重要政策と位置づけて、
「都市の魅力・活力、市民の豊かさ・満足度」を高めている。特に
人口の少ない地方都市がプロサッカーチームを頂点とする地域スポーツクラブを運営して、
市民の地域愛や誇りを醸成している事は注目すべきだ。
 その具体的な事例を『日本版スローシティ』191頁~詳解している。

 さて本日は、2つの重要政策「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」の
日本における現状を考察しよう。
 

「地域スポーツクラブ育成」の必要性と有効性の考察

 なでしこ司令塔の宮間選手が所属する「岡山湯郷Belle」は人口約3万人の美作市にある。
人口3万人は「6町を合併」しての数字であり、立地の不便さが容易に想像できる。
 鳥取県と兵庫県に接する「広大で人口の少ない地方都市」の美作市が
「岡山湯郷Belle事業」に出す補助金は年間1,300万円にすぎない

 地域活性化に資する事業の「補助金額 1,300万円」が、いかに少なくて有効であるかは
箱物事業(再開発ビル建設、工場誘致建設)と比べると一目瞭然だ。

1.再開発ビル建設の補助金
  『地域再生の罠』36頁で分析した宇都宮市「うつのみや表参道スクエア」建設には
 約44億円もの補助金が使われたが、半分が空き店舗状態である。

2.工場の誘致・建設の補助金
  シャープ亀山工場の誘致・建設に地元行政がシャープに与えた補助金は135億円
 三重県90億、亀山市45億)だが、雇用など地域活性化効果は予想を大幅に下回る

  三重県試算では第一工場だけで12000人の県内雇用創出を見込んだが、
 2007年時点の県内雇用者は第二工場を合わせても約7000人にすぎない。
  更に、外国人居住者の急増など予期しなかった対策を迫られることになった。


注) 箱物事業(再開発ビル建設と工場誘致建設)への膨大な補助金を
 「スローフード店育成」に回す「事業仕分け提案」を次回掲載
する。 本日記事は
 「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」へ、箱物事業の補助金を回す 
 「事業仕分け」をしよう!という提案である。
  『地域再生の罠』4章で、岐阜市駅前の再開発ビル建設費が、廃線にした路面電車の
 維持費55年分に相当する事例から、市民目線な「事業仕分け」の必要性を提案している。


 美作市が「岡山湯郷Belle事業」に出す補助金1,300万円も「事業仕分け」の
悪影響を受けている。国の事業仕分けで、スポーツ振興予算は大幅に削減されたのに伴い、
美作市の「岡山湯郷Belle事業」補助金は、平成21年度まで毎年1800万円だったが
平成22年度から1,300万円へ約30%も減額されている。

 補助金削減の、しわ寄せは全て選手に来る。
選手は貯金を取り崩して生活したり、余暇時間を減らして労働増を強いられた。
 そんな苦境を乗り越えての「なでしこW杯サッカー優勝」に
補助金削減を仕分けた張本人の蓮舫議員がツイッターで「おめでとう、すごい」と
つぶやけば炎上必至だろう。

 以上から私は、地方都市再生に2つの問題提起をしたい。

1.「国と地方の予算」の在り方を問いなおす。論点としては
 「国の事業仕分け(予算配分)」を見直すこと。そして、
 国から地方へ「財源移譲、予算使途決定権移譲」推進の2点が想定される。

2.議員やマスコミが「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」の意義を認識する。

 昨日発売の週刊新潮「W杯優勝なでしこ選手の家族プライバシー暴露」報道には呆れた。
宮間選手の父が県議落選中とか、沢選手の親は離婚など選手家族のプライバシー暴露報道は
「地域スポーツクラブ育成、女性活用」が進む西欧なら、絶対に許されない卑劣で
国益を損なう行為だろう。

  (そもそも、暴露報道が評価されるのは、政治家や電力会社などが
  「国民に公開すべき情報を隠蔽してる時」に限られる!)

 

「女性活用」の必要性と有効性の考察

 岡山湯郷Belleの平成22年度「収支報告書(以下13頁に概要あり)」を見ると、
選手の年収が100万円にも満たない低さに驚く
 http://www.city.mimasaka.lg.jp/open_imgs/city_office/0000002993.pdf

 「チーム=事業」の総収入は5177万円(市の補助金1300万円を含む)。
総支出5146万円のうち、人件費は2139万円。
 チーム構成員は34人(役員8人、監督&コーチ4人、選手22人)。役員は市職員と仮定して
年収を平均値で計算(2139÷26)すると、選手一人あたりの年収は82万円しかない。
(W杯MVPの沢選手でさえ年収500万円前後)

 年収100万円以下では生活できないので、前述したように、選手は貯金を取り崩したり、
余暇時間に仕事をする。事実、岡山湯郷Belleの公式WEBを見ると
宮間選手以外の全選手に職場名が記載されている。
 http://www.yunogo-belle.com/modules/cms/pub_content_detail.php?id=4&stat=0

 これ(選手は年収100万円以下で、余暇時間に仕事をせざるをえない)が、
W杯世界一メンバーに2人を輩出する日本女子プロ・サッカー・チームの実情である。

 事業仕分けをした議員も、取材した週刊新潮などマスコミも、この実情は当然に知っている。
知っているにも関わらず、なぜ議員は補助金を大幅削減し、マスコミはW杯優勝直後に
選手家族のプライバシーを暴露して、彼女たちの足を引っ張るのか?
 おそらく彼らに「女性だから(長くは続かないんだろ)!」って意識があるのだろう。

 これ、思考が逆だと思う。 つまり、議員やマスコミは
「女性が長く持続的に活躍できるように環境を創り、応援する」使命がある。

 民主党って確か「コンクリートから人へ投資」を根本理念にマニフェスト作ったよね?
人、特に女性と若者が活躍できる環境を創ろうよ! 

 久繁哲之介も微力ながら、「若者バカ者まちづくりネットワーク」にて
「地域再生には女性の活躍が必要!若者バカ者まちづくりネットワークの
素敵な女性たち」を連載紹介している。
 
 
若者バカ者まちづくりネットワーク」主宰 久繁哲之介

日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり
(2008/04)
久繁 哲之介

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ジャンル : 政治・経済

プロフィール

地域再生プランナー

Author:地域再生プランナー
久繁哲之介の見識が当ブログ、
以下の本でご覧頂けます。

『地域再生の罠』ちくま新書
『日本版スローシティ』学陽書房
『コミュニティが顧客を連れてくる~愛される店・地域のつくり方』
『商店街再生の罠』ちくま新書

講演・執筆ご依頼は以下クリックして下さい。 電話は禁止!

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久繁哲之介の本
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