なでしこW杯優勝を機に「地域スポーツクラブ」と「女性活用」で地域活性化!

 なでしこW杯サッカー優勝から私は、日本の地域活性化に
「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」の必要性と有効性
を感じた。

 西欧都市の多くは「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」を重要政策と位置づけて、
「都市の魅力・活力、市民の豊かさ・満足度」を高めている。特に
人口の少ない地方都市がプロサッカーチームを頂点とする地域スポーツクラブを運営して、
市民の地域愛や誇りを醸成している事は注目すべきだ。
 その具体的な事例を『日本版スローシティ』191頁~詳解している。

 さて本日は、2つの重要政策「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」の
日本における現状を考察しよう。
 

「地域スポーツクラブ育成」の必要性と有効性の考察

 なでしこ司令塔の宮間選手が所属する「岡山湯郷Belle」は人口約3万人の美作市にある。
人口3万人は「6町を合併」しての数字であり、立地の不便さが容易に想像できる。
 鳥取県と兵庫県に接する「広大で人口の少ない地方都市」の美作市が
「岡山湯郷Belle事業」に出す補助金は年間1,300万円にすぎない

 地域活性化に資する事業の「補助金額 1,300万円」が、いかに少なくて有効であるかは
箱物事業(再開発ビル建設、工場誘致建設)と比べると一目瞭然だ。

1.再開発ビル建設の補助金
  『地域再生の罠』36頁で分析した宇都宮市「うつのみや表参道スクエア」建設には
 約44億円もの補助金が使われたが、半分が空き店舗状態である。

2.工場の誘致・建設の補助金
  シャープ亀山工場の誘致・建設に地元行政がシャープに与えた補助金は135億円
 三重県90億、亀山市45億)だが、雇用など地域活性化効果は予想を大幅に下回る

  三重県試算では第一工場だけで12000人の県内雇用創出を見込んだが、
 2007年時点の県内雇用者は第二工場を合わせても約7000人にすぎない。
  更に、外国人居住者の急増など予期しなかった対策を迫られることになった。


注) 箱物事業(再開発ビル建設と工場誘致建設)への膨大な補助金を
 「スローフード店育成」に回す「事業仕分け提案」を次回掲載
する。 本日記事は
 「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」へ、箱物事業の補助金を回す 
 「事業仕分け」をしよう!という提案である。
  『地域再生の罠』4章で、岐阜市駅前の再開発ビル建設費が、廃線にした路面電車の
 維持費55年分に相当する事例から、市民目線な「事業仕分け」の必要性を提案している。


 美作市が「岡山湯郷Belle事業」に出す補助金1,300万円も「事業仕分け」の
悪影響を受けている。国の事業仕分けで、スポーツ振興予算は大幅に削減されたのに伴い、
美作市の「岡山湯郷Belle事業」補助金は、平成21年度まで毎年1800万円だったが
平成22年度から1,300万円へ約30%も減額されている。

 補助金削減の、しわ寄せは全て選手に来る。
選手は貯金を取り崩して生活したり、余暇時間を減らして労働増を強いられた。
 そんな苦境を乗り越えての「なでしこW杯サッカー優勝」に
補助金削減を仕分けた張本人の蓮舫議員がツイッターで「おめでとう、すごい」と
つぶやけば炎上必至だろう。

 以上から私は、地方都市再生に2つの問題提起をしたい。

1.「国と地方の予算」の在り方を問いなおす。論点としては
 「国の事業仕分け(予算配分)」を見直すこと。そして、
 国から地方へ「財源移譲、予算使途決定権移譲」推進の2点が想定される。

2.議員やマスコミが「地域スポーツクラブ育成」と「女性活用」の意義を認識する。

 昨日発売の週刊新潮「W杯優勝なでしこ選手の家族プライバシー暴露」報道には呆れた。
宮間選手の父が県議落選中とか、沢選手の親は離婚など選手家族のプライバシー暴露報道は
「地域スポーツクラブ育成、女性活用」が進む西欧なら、絶対に許されない卑劣で
国益を損なう行為だろう。

  (そもそも、暴露報道が評価されるのは、政治家や電力会社などが
  「国民に公開すべき情報を隠蔽してる時」に限られる!)

 

「女性活用」の必要性と有効性の考察

 岡山湯郷Belleの平成22年度「収支報告書(以下13頁に概要あり)」を見ると、
選手の年収が100万円にも満たない低さに驚く
 http://www.city.mimasaka.lg.jp/open_imgs/city_office/0000002993.pdf

 「チーム=事業」の総収入は5177万円(市の補助金1300万円を含む)。
総支出5146万円のうち、人件費は2139万円。
 チーム構成員は34人(役員8人、監督&コーチ4人、選手22人)。役員は市職員と仮定して
年収を平均値で計算(2139÷26)すると、選手一人あたりの年収は82万円しかない。
(W杯MVPの沢選手でさえ年収500万円前後)

 年収100万円以下では生活できないので、前述したように、選手は貯金を取り崩したり、
余暇時間に仕事をする。事実、岡山湯郷Belleの公式WEBを見ると
宮間選手以外の全選手に職場名が記載されている。
 http://www.yunogo-belle.com/modules/cms/pub_content_detail.php?id=4&stat=0

 これ(選手は年収100万円以下で、余暇時間に仕事をせざるをえない)が、
W杯世界一メンバーに2人を輩出する日本女子プロ・サッカー・チームの実情である。

 事業仕分けをした議員も、取材した週刊新潮などマスコミも、この実情は当然に知っている。
知っているにも関わらず、なぜ議員は補助金を大幅削減し、マスコミはW杯優勝直後に
選手家族のプライバシーを暴露して、彼女たちの足を引っ張るのか?
 おそらく彼らに「女性だから(長くは続かないんだろ)!」って意識があるのだろう。

 これ、思考が逆だと思う。 つまり、議員やマスコミは
「女性が長く持続的に活躍できるように環境を創り、応援する」使命がある。

 民主党って確か「コンクリートから人へ投資」を根本理念にマニフェスト作ったよね?
人、特に女性と若者が活躍できる環境を創ろうよ! 

 久繁哲之介も微力ながら、「若者バカ者まちづくりネットワーク」にて
「地域再生には女性の活躍が必要!若者バカ者まちづくりネットワークの
素敵な女性たち」を連載紹介している。
 
 
若者バカ者まちづくりネットワーク」主宰 久繁哲之介

日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり
(2008/04)
久繁 哲之介

商品詳細を見る
関連記事

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

地域再生プランナー

Author:地域再生プランナー
久繁哲之介の見識が当ブログ、
以下の本でご覧頂けます。

『地域再生の罠』ちくま新書
『日本版スローシティ』学陽書房
『コミュニティが顧客を連れてくる~愛される店・地域のつくり方』
『商店街再生の罠』ちくま新書

講演・執筆ご依頼は以下クリックして下さい。 電話は禁止!

カテゴリ
久繁哲之介の本
【楽天ブックスならいつでも送料無料】日本版スローシティ [ 久繁哲之介 ]

日本版スローシティ  (学陽書房)
価格:2,700円(税/送料込)

リンク(拙著書評、講演記録など)
最新記事
記事を検索
月別アーカイブ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QR