お年寄りと子供も、若者と女性も、理解と参加が可能な「まちづくり」

 私は、大前研一さんの大ファンで、彼の著書を読むたび
”大前さんこそ日本の総理に相応しい”と感じるほど「卓越した理論」をおもちです。

 だから、大前さんが1995年の東京都知事選に立候補された時は、かなり期待したが、
作家の青島幸雄さんに完敗しました。
 一昨日発売の週刊ポストに、大前さんの回顧録が次のように紹介されています。


 僕は都が抱える問題を調べ、考え抜いた末に「新・東京ビジョン」という政策パッケージを
作って発表したけど、有権者もマスコミも、その中身には見向きもしなかった。
 そして、「都政から隠し事をなくします」「ちゃぶ台をバーンとひっくり返す」とだけいって
自宅に籠もり、選挙運動すらしなかった青島幸男さんが圧勝した。でも結局、青島さんは
“都官僚”の言いなりで何もできず、都民から退陣コールを浴びて再選断念に追い込まれた。



 週刊誌などマスコミの情報が「正しくない、中立公正でない」ことは日常茶飯事ですが、
この大前さんの話も「マスコミが世間受けするように加工した」と私は感じています。
 大前さんは都知事選落選後にラジオ番組で次のように敗戦の弁を語っていました。


 青島さんの公約「都政から隠し事をなくします」を初めて聞いた時、
「子供っぽい言い方だな。私なら”都政の透明性を高める”等、もっと論理的に話すのに」
と感じた。しかし、都民は「論理の私」より「子供にも解る言い方の青島さん」を支持した。
「論理」より「共感」の時代なのかもしれない。



 大前さんの話に私は心を揺さぶられ、自分の専門に活かそうと決意した。つまり、
まちづくり・地域活性化も「論理」より「誰もが理解・参加できる共感」が求められている。
 私は、お年寄りと子供も「理解と参加」が可能な「まちづくり」の普及と実現を目指す!

 しかし、まちづくりの「専門家、出版社、役所」は今も尚、
やたら難解な専門用語と冗長文を好んで使う。
 例えば、
中心市街地の活性化に向けたコンパクトシティを推進する為、ワークショップ
を開催するので、市民の皆さん是非ご参加ください

と役所や専門家に言われた市民は、どう感じるでしょうか?

 まず、「中心市街地? コンパクトシティ? ワークショップ?」と言葉が通じない。
そして、専門家と役所の話は「主語・主役」が、中心市街地やコンパクトシティという論理
であって、そこに暮らす人(市民)ではない。 
 
 人(市民)は、論理への理解と協力が要求される脇役だなんて、
なんとも失礼な話ではないか。だから市民は、まちを魅力的にしたいと思うのに、
まちづくりへの理解も参加も難しい。その結果、無関心者が増える

 
 政治への無関心者(無党派)が増えるプロセスも、まちづくりと同じですね。
だから、政治不信や行政不信の解決策は、まず話の
「言葉を平易にして、主語・主役を国民(市民)」にすることから始めると良いでしょう。


 例えば私は、「中心市街地」という言葉は絶対に使わず「まちなか」と言う。これは
拙著『日本版スローシティ』58頁、成人2000人対象の「訪問面接法」アンケートに基づく。

問1.「中心市街地」という言葉を聞いたことがありますか? 
   
 聞いたことが無い 44%、 聞いたことがある 56%

問2.あなたは居住地の「中心市街地活性化」に協力したいですか?   
 したくない 40%、是非したい 6%、どちらとも言えない 54%


 このアンケート結果は、まちづくりと中心市街地活性化の現状を改善すべき
ことを強烈に示唆しています。まず注目すべきは、当アンケートが「訪問面接法」であること。
つまり、第三者の面前で中心市街地活性化という”公益政策”を「知らない、協力したくない」と
否定的な回答は言い難い強力なバイアスのかかった調査です。したがって、

 中心市街地活性化を「知らない、協力したくない」市民は、この数字以上に多い。
と解釈できます。次に注目すべきは、否定的な回答をしにくい調査であるにも関わらず、
居住地の「中心市街地活性化」に協力したくないと回答する市民が40%も存在すること。

 現代市民はボランティアなど公益活動への関心が非常に高い。公益活動に熱心な市民が
「中心市街地活性化には協力したくない」と言う理由は、まちづくり専門家や行政の考える
「中心市街地活性化」は公益活動ではなく、商店街救済
と見抜いているからです。

 では、中心市街地活性化に市民が協力したいと感じてもらうには、どうすべきか?
市民が共感できる理念を先ず考えて、手段は理念から導く正しい方法に改めるべきです。
 
 現状の「中心市街地活性化」計画は、いきなり手段から考えるから市民に共感されないし、
理念が無いまま、手段だけを考えるから、成功事例を探して模倣しては失敗するのです。

 以上より私は、お年寄りと子供も、若者と女性も「理解と参加」が可能な「まちづくり」
という理念を掲げ、地域活性化・まちおこし・商店街活性化を支援しています。


地域再生プランナー 久繁哲之介
日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり
(2008/04)
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『地域再生の罠』ちくま新書
『日本版スローシティ』学陽書房
『コミュニティが顧客を連れてくる~愛される店・地域のつくり方』
『商店街再生の罠』ちくま新書

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