地方都市は大型店の撤退(特にセブン&アイグループの撤退)に備えよう

 大学生Mさんから昨日、以下コメントを頂きました。


「地域再生の罠」拝見させていただきました。将来、県庁職員を目指しており大変勉強になりました。私の故郷である秋田県の秋田駅前の、「西武」が撤退し、代わりにそこに「LOFT」がオープンしたのですが、そのことがまさに「地域再生の罠」にあった、提供者目線の行動(知識の無い学生の勝手な考えですが)なのではないのか?また撤退するのではないのか?と思いました。また、駅周辺の店で売っている若者向けの衣服の値段も高額になってきていると感じます。それには駅からバスで約20分の距離にある大型商業施設の存在が関係していると思います。そこに行けば、衣服、飲食、映画、ボーリング、ゲームセンターなど若者が好むものが揃います。しかし、それでは地域全体の経済は豊かになりません。かといって、その大型商業施設が無ければ生活が不便なことも間違いありません。このような場合、大型商業施設の付近に個人経営の店をいくつも建てると、地域全体の経済の潤いにつながりますか?もしお時間があればご回答していただけると幸いです。拙い文章で申し訳ありません。よろしくお願い致します。


 まず事実確認です。秋田駅前から撤退したのは「イトーヨーカ堂」です。
かねてより撤退の噂が囁かれる「西武」は未だ存続していて、2010年10月に
撤退した「イトーヨーカ堂」ビルの2階に「ロフト」が出店しました。

 さて、まず注目すべきは3社は全て「セブン&アイ」グループであることです。
親会社から順に並べると「イトーヨーカ堂」「西武」「ロフト」であり、今回の
秋田駅前における大型店の出退店は、以下「セブン&アイ」グループ戦略の一環です。

1.セブン&アイの基幹店「イトーヨーカ堂」「西武」「そごう」の
 共食い(共倒れ)を避ける為、同一地域内に重複する店舗の整理を進めている。
 
  秋田の場合、かねてより西武が撤退すると噂されていたが、セブン&アイは
 イトーヨーカ堂を撤退させて西武は存続させる選択をした。
  セブン&アイ基幹店が重複する地域は、早晩どちらか撤退するので、要準備!

2.西武は百貨店としての集客力が、他の百貨店と比べると格段に弱い。その対策として
 同じ系列の若者向け専門店「パルコ」か「ロフト」を、西武ビル内か隣ビルに誘致して
 集客のシナジー効果を狙っている。

3.しかし、シナジー効果は芳しくない。例えば、福井駅前は秋田駅前と同じく
 「西武+ロフト」の組み合わせだが、賑わいとは程遠い衰退トレンド
にある。
  福井も秋田も、「セブン&アイ」グループが揃って撤退するリスクがあり、要準備! 

 福井と言えば、福井駅前市民協議会と名乗るが「商店街だけの利益(生き残り)に固執」した
福井駅前の商店主から講演依頼を4月14日に頂いた。5月で空いてる日程を教えろと言うので
2つ候補を提示して、その2日間を空けていた。すると10日後に次趣旨の連絡が来た。
「講演事前の面談を無料でお願いしたい。場所は福井の近くを希望」

 
 Mさん、個人経営の店が地域再生に貢献するには「量ではなく質、理念」が大切です。
自分(商店街)の利益しか考えられない個店は、大型店や行政に依存するばかり。
「消費者・市民志向でない個店」は、必ず淘汰されます。
 

大型店の撤退や郊外移転は、個店淘汰の「きっかけ」であり、原因ではありません。

 さて、「そごう・西武」の撤退は近年ますます加速している。
私が知るかぎり、この10年間に西武百貨店が撤退した都市は次のとおり。
 札幌、函館、仙台、宇都宮、大宮、有楽町、川崎、富山、小松、尼崎、神戸、高知。

 このうち札幌や有楽町など大都市は、撤退後の後継施設が直ぐに現れるが、
地方都市は百貨店が撤退した後、何年も廃墟ビル状態が続き、街が著しく疲弊している。
 西武など百貨店に依存している地方都市は、撤退に備えて、要準備!

詳細は、以下を御覧ください。
   シャッター百貨店の対策は急務~百貨店の閉鎖は2年で20店


 
地域再生プランナー 久繁哲之介
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?
(2010/07/07)
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