原発避難者に「上から目線で謝罪」した東京電力の幹部と『地域再生の罠』の共通点

 今週、以下写真をメディアで見た方は多いと思うが、皆さんは
東京電力幹部の謝罪と、彼らに目を合わせとようとしない避難者の姿、どう感じましたか?
 
 
3月22日、福島第1原発の地元大熊町から避難した「床に座る避難者」に「立ったまま
上から目線で謝罪」する東京電力幹部と、そっぽを向く市民の光景(Photo By 共同通信)
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 同じ現象・光景を見ても、全く「正反対な解釈(感じ方)」に割れるのが世の常。
この写真も、次2つの「正反対な解釈(感じ方)」に分かれると思う。

解釈1.上から目線で「心がこもってない」、謝罪されたとは感じられない(注)。
解釈2.目に見えない「心はどうでもいい」、謝罪した事実を作ったことに意味がある。

(注)こういう市民、特に弱者の本音は「大手メディアや行政は、光をあてない」ので、
表面化しないことが多い。市民・弱者の本音に光を当てるメディア・専門家は、たいてい
弱小なメディア・者となる。今回はスポニチが以下の報道をしている。
  http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/22/kiji/K20110322000477860.html
当報道の次部分に注目してほしい。 「渡辺里美さん(84)は鼓副社長が立ち去った後
「立ったまま『どうも』なんて、謝罪にならない。」
  


 正反対な解釈は「正反対な視点」と「正反対な感情vs論理」から生まれる。 
解釈1は「市民など消費者、今回なら避難者」の視点から”自然に湧く感情”であり、
解釈2は「行政など提供者、今回なら東京電力」の視点から”意図的に作られる論理”だ。

 まちづくりや地域活性化が失敗する本質には、この正反対な解釈の溝がある。
例えば、都市計画や中心市街地活性化計画の立案過程に「住民公聴会」等を設けるが、これは
「市民の意見を聞いた事実を作る形式」にすぎず、市民の意見は殆ど計画に反映されない。

 人の交流・営みは互いに「視線、視点を合わせる」配慮が必要不可欠である。
人は自分と「視線・視点を合わせようと努める」相手には、心が良い方向へ自然に動く。
しかし、視線・視点を「対等」に合わせようとしない相手には、絶対に心を開けない。
まして、加害者(東京電力)や公益団体(行政)から「上から目線で」見下される
市民の不快感は容易に想像できる。

 拙著『地域再生の罠』では、以上の「解釈の溝」、そこか生じる「市民の不快感」が
大きな地方都市ほど衰退し続ける構図を指摘し、この溝を埋めていくビジョンと施策を示した。
 
 しかし、解釈2の方(論理偏重者、土建屋、土建専門出版社)からの反論(いやがらせ)は
かなり陰湿です。解釈2の視点を、解釈1の視点へ近づける私の使命と活動、すなわち
「市民が豊かになる地域再生」は未だ前途多難な様です。


地域再生プランナー 久繁哲之介
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?
(2010/07/07)
久繁 哲之介

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『地域再生の罠』ちくま新書
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