脱「無縁社会」へ商店主の取組:第2話『千葉県木更津市の安田さん』

 脱「無縁社会」へ商店主の取組 第2話は
千葉県木更津市みまち通り商店街で「憩いの軽食屋さん?」を営む安田さんです。

 安田さんの御店(写真1)を、事情を何も知らない人が見たら
「店の実態と看板が不一致。この店、なに売ってるの? やる気あるのかな?」等と
否定的な印象を抱くことだろう。

 写真1の看板を見ての通り、安田さんの御店、元は玩具店でした。
しかし、時代は少子化が進み、トイザらスの日本進出や郊外大型店に押されて
零細おもちゃ屋さんの多くは淘汰され「シャッターを閉め」ました。

 でも、安田さんはシャッターを閉めず「袋物・カバン屋さん」に転身します。
しかし、物は飽和状態かつネット販売の攻勢もあり、零細物販業は苦戦を強いられ
シャッターを閉める零細物販店は今も増えています。
 それでも、安田さんはシャッターを閉めず「憩いの軽食屋さん?」に再生しました。

 全国シャッター商店主の皆さんは是非、安田さんを見習ってください。具体的には

① 郊外大型店進出など外部環境変化を理由に
 「シャッターを閉じたり、行政に支援を要求」しないで
 安田さんは「外部環境変化」に「自身が何回も適応・進化」した。

② 「売り手が、売りたい物を売る」のではなく、
  「時代や顧客が、望むことを提供する」
のが”商売の基本”である。


 木更津市みまち通り商店街の事情を説明しよう。
場所は、木更津そごう閉鎖後に躯体をそのまま利用した「アクア木更津」の直ぐ横にある。
そう、百貨店そごうが撤退する迄は、かなり賑わっていた街の一等地にある商店街だ。 

 東京湾アクアライン開通を当て込んで、木更津は不動産バブル(地上げ)が起こるが、
開通してみると、人は流入より流出が続き「商業地地価下落率4年連続日本一」を記録する。

 その傷跡が木更津街中のあちこちに見られる。
みまち通り商店街も土地買収により、片側は空地のまま(写真2)。
木更津駅前の1991年にダイエー撤退後のビルは1998年から廃墟ビルのまま(写真3)。
 写真は全て昨年9月14日に木更津商工会議所での講演前に撮影したもの。

 講演前に木更津の街中を徘徊したところ、驚くことに写真3のような
「落書き、破損されたシャッター商店」が他にも幾つかあり、街路上の看板も多くが
「落書き、破損」されていた。

 このような「シャッター商店・百貨店」と、そこに生じる落書き・破損行為とを
放置する地方都市は少なくないこと、その弊害は、以下を御覧ください。
  http://hisa21k.blog2.fc2.com/blog-entry-59.html

 昨夏は猛暑で、南房総の木更津は9月半ばなのに33度の暑さ。単独視察中、私は
疲れはてて、めまいがして「どこか涼しい場所で座って冷たいものを」と物色したが、
目に入るのは「シャッター商店と青空駐車場だらけ」の地方都市にありがちの光景。
 
 私は、ふと映画『木更津キャッツアイ』の舞台となった
「狭く曲がりくねった風情ある商店街」を思い出した。その
「みまち通り商店街」を探し辿り着き、眼にとまったのが
安田さんの御店の「氷」という幟と、涼しげな店内だった(写真1)。

 荒れはてた木更津街中で、他の店やビルもシャッターを閉じて、
更に街が衰退していく厳しい状況の中、安田さんの御店をはじめ、みまち商店街は
「シャッターを閉めず、時節や顧客が求めることを提供しようと店を開けている」ことに
私はすごく感激して、なんとか応援(宣伝)してあげたいと常に考えていた。そう、

顧客は「商店主の配慮、もてなしに感動」して、クチコミ等で応援(宣伝)してくれる!


写真1 木更津みまち通り商店街 安田さんの御店
yasuda木更津

写真2 木更津みまち通り商店街の全景 右手の中央に安田さんの御店の幟「氷」が見える
mimachi木更津

写真3 木更津駅前の廃墟ビル(2001年ダイエー撤退→2008年ラズモール撤退→廃墟ビル)
az木更津



     若者バカ者まちづくりネットワーク 主宰  地域再生プランナー 久繁哲之介

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