公務員と議員が読むべき本:第2回 横石知二さん『そうだ、葉っぱを売ろう!』書評

そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生
(2007/08/23)
横石 知二

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『そうだ、葉っぱを売ろう!』は、最後の「おわりに」が素晴らしい。
本を書き終えて、ホッとしている著者は「おわりに」で、著者の本音や
本を書いた視点・目的がポロっと出してしまうもの。
 
 土建工学者の大学教授の書いた街づくり本の「おわりに」は、
大学研究室のボスや仲間、学会のボス研究会の仲間への謝辞とゴマすりの
オンパレードになることが多い。

 そこには、読者への配慮は感じとれないし
地域活性化を心から願っていることも感じとれない。
そんな「おわりに」を本の最後で読まされた読者は、次のように感じるだろう。
『この著者は、大学や学会の中で、出世したくて本を書いたんだなぁ…』


お金と時間を浪費しない本の選び方

 だから私は、本を買う前に必ず「はじめに、目次」と「おわりに」に
目を通して「買う(読む)価値」があるか品定めをします。

 この品定め、つまり「選本術」の必要性を
本企画第7回で紹介する勝間和代さんは著書『読書進化論』81頁で次のように述べています。

 実用書の中で8割くらいは「えっ、よくこれで本になったな」
というコンテンツの本です。

 本企画第8回で紹介する小飼弾さんは、こういう
読んではいけないを「くそ本」と定義しています。 

 さて、土建工学者の本を、この品定めをすると、9割以上は
読んではいけない「くそ本」です。

 しかし私の場合、専門分野の本は読む「価値」はないと
わかっていても「必要性」があります。
 だから、覚悟を決めて読み始めると予想通り、
わずか数頁でストレスが溜まり、読む気が失せる。
 なぜなら、読者への配慮が全く感じられない。

 内容の是非を問う以前に、日本語として読めない。
その結果、ストレスが溜まり、読む気が失せる。
コーヒー・ブレイクをとって、気合いを入れ直して、読んでも
また数頁で読む気が失せるという繰り返しです。

 速読&多読の必要性は、多くの識者が指摘するところです。
速読&多読を阻害する最大の要因は、著者の日本語力が粗雑で
「日本語として読めない。その結果、ストレスが溜まる」ことです。

 その具体例を土建工学者本には幾つでも指摘できますが、3つだけ挙げると

①一つの文が異常に長すぎる
②指示語が多すぎ、かつ何を指しているか不明
③句点や修飾語の位置が不適切で、多様に読めてしまう

 そして内容も、地域活性化を論じてはいるが
「xx先生の指導で、こんなアンケートをして、こういうことが判った」と
まるで学生の自由研究レベル。研究に一生懸命な姿勢は伝わるが、
地域活性化を心から願っているとは感じとれない。

 これは単に、土建工学者の日本語力がお粗末という問題に
とどまらない。読者に無用な努力を強いる文章を平然と書いてしまえる
他者への気配りの欠如は次のような問題を誘発しています。
 
 読者である普通の市民へ配慮の無い、机上で考える
「まちづくり(研究)」は、普通の市民を豊かにしない。

 『そうだ、葉っぱを売ろう!』は、普通の市民を豊かにする大切さ、
必要性を伝える名著です。本書の「おわりに」には、著者である
横石知二さんの「地域市民への思いやり、地域再生への熱意」が溢れている。

 以下、そう感じる部分を「おわりに」212~213頁から引用します。
私の野暮な解説など不要でしょう。皆さん、噛みしめるように読んでください。

①自分が社会の役に立つということが、どんなにうれしいことか。このことを
 「彩」事業を通じて、おばあちゃんたちから教えてもらった。
②全国各地を回ってみると、全国の農村では心の空洞化が起きている。
③なんとか、という想いを持って、全国からたくさんの方が上勝に来られるが、
 「彩」の事業で成功したところは未だにない。なぜですかと聞かれると、私は
 「心の絆」だと答える。


     若者バカ者まちづくりネットワーク 主宰  地域再生プランナー 久繁哲之介

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