空き家・空き店舗の活用に成功した政策集~まちづくりは「稼ぐ収益事業」と「稼がない公益事業」に分け、連携させると成功

空き家・空き店舗の活用に成功した鍵】は何か?

特に秀逸な成功例: 公務員が空き家・空き店舗を自腹で借り「稼がない公益事業」を実践、
交流を創出「稼ぐ収益事業」を誘発した2つの成功例に注目。

成功の鍵: まちづくりは「稼ぐ収益事業」と「稼がない公益事業」に分け、連携が必要で、
一方にしか価値が無いと考える偏見は、まちや人の可能性を潰す。


空き家・空き店舗の課題を2つに分ける

1)解体コストが高い。解体して更地にすると、税負担も高くなる。
2)だから「空き家・空き店舗のまま放置されやすい」し、 いきなり「稼ぐ事業化は難しい」。

 そこで、公務員が空き家・空き店舗を自腹で借り「稼がない公益事業」を実践。
交流を創出し、その交流から「稼ぐ収益事業」を始める若者が出現する等の
成果を出している成功例を2つ紹介します。

1) 長野県塩尻市 空き家プロジェクト「nanoda」  代表:山田崇さん
2) 愛知県岡崎市 「ここdeやるZone」      代表:晝田浩一郎さん

1と2の仕組みは同じです。同じ仕組みで、両者とも成功できた観点から、この事業は
誰でも真似して成功できる」可能性がありそうです(この説明は後述)。


稼がない公益事業が、稼ぐ収益事業を誘発

仕組みは、代表の公務員が市役所内で仲間を募り、各自が月1000円位の
自腹を切り、商店街の空店舗を借りて「稼がない公益事業」を運営すること。

仕組みの肝は2つ。運営の資金は「自腹」、運営する「時間は公務時間外=夜と土日」です。
副業を自己資金だけで行う場合と同じ状況で「副業の成功例」とも言えます。

稼がない公益事業の内容は、仕組みの制約から、みんなで晩ごはんを食べる会などイベントを
参加費は実費のみで運営。当然この施設では稼げてはいません。

だが「地域コミュニティ形成、商店街の賑わい向上」という目的の成果は出ていて、
そのコミュニティから別の空き店舗で起業する若者が3組ほど現れる成果も出ています。


誰でも真似して成功できる事業という挑発

1と2の仕組みが同じ理由は次の通り。
2012年に事業を始めて成功して話題になった1を2の晝田さんが視察。
1の実践者である山田さんは、晝田さんへ次のように挑発したそうです。

「視察者が多く来て、皆に”この事業、誰でも出来る”と言っても、誰も実行しない。
貴方も、どうせやらないんでしょ」

晝田さんは他の視察者と同様、観光気分で視察に行った事を揶揄する
山田さんの挑発に「絶対やるぞ」と決意して「ここdeやるZone」 を立ち上げた。

 示唆に富む話ですね。
行政の視察は多くが、観光にすぎず、実践しない(役に立っていない)という事実。
誰でも出来るとは挑発で、公務時間外に・自腹を切る等、実は実践が難しい事業。
誰でも出来ると挑発されて、やる気になり、難しい事業を実践できたという物語。
「稼がない公益事業」が「稼ぐ収益事業」を誘発する成果。

このように、その施設では稼がないが、周辺で多くの稼ぐ成果を出す施設を
拙著『商店街再生の罠』で「戦略的赤字施設」と定義、事例を紹介しています。


 若者バカ者まちづくりネットワーク主宰 都市研究家 地域再生プランナー 久繁哲之介

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『地域再生の罠』ちくま新書
『日本版スローシティ』学陽書房
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