広島土砂災害マスコミの卑劣な取材 解決策「同業より顧客を視る」評価制度

 故郷の広島市で土砂災害。 知人が被災。 故郷と知人の苦境に
「私は何ができるか?」と、故郷の知人へ率直に聞いた。 答えは

マスコミの卑劣な取材・報道 への問題提起

家族を失った直後の泣いている被災者に「今の心境は?」と、群れて取材する
マスコミの卑劣な取材の実態を描き、原因の本質を探り、解決策を示して欲しい
」 と。



自然災害が起きる度、繰り返される「マスコミの卑劣な取材」

 自然災害が起きる度、マスコミの卑劣な取材は、国民の多くが問題視、
自粛・改善を求める声が方々から出るが、マスコミに自粛・改善する姿勢は見られない。

 何故だろう? 本質的な問題点は何処にあるのだろう?
同業他社ばかり視て、顧客・国民は視ない」マスコミの体質にある。

 この体質はマスコミに限らず、自治体や商店街など「古い体制の組織」に共通する
病である。 この話は、自治体や商店街など「古い体制の組織」の方に、ぜひ読んでほしい。



人・組織を動かす最高のインセンティブは 「評価、承認」

 評価・承認は、人や組織を動かす「規範であり、最高のインセンティブ」である。 だから、
人や組織を正しい方向へ導くには、正しい「評価制度」の運用が最も効果がある。

 日本マスコミ界で最高の栄誉と言われる評価制度は 日本新聞協会賞 である。
この評価基準が悪い。 評価基準が「同業他社との比較、特に早さ」だから悪い。

 日本新聞協会賞で過去の受賞例を見ると、評価基準は「スクープ = 他社を抜く」と分かる。
「スクープ = 他社を抜く」評価の基準が「内容の正しさ・深さ」であれば悪くはない。 

 しかし、他社を抜く基準は「早さ、映像の見栄え」に偏重しすぎている。 ここが悪い。
「早さ、映像の見栄え」を重視する結果、以下のような事件報道が受賞できてしまう。

1 三菱・東京銀行の合併を他社より半日だけ「早く抜いた、スクープした」日経新聞
2 JR福知山線の脱線事故現場を他社より「早く・近くで写真報道した」朝日新聞



評価制度が悪いと、組織と人は暴走する

 広島土砂災害など災害・事故時のマスコミによる悪質な報道の本質は、
この2事例が受賞できてしまう「評価基準」から見出すことができる。

 以上を念頭に置いて、マスコミ陸軍(被災者にマイクとカメラを向ける 取材者)と
マスコミ空軍(空から轟音を発して、被災地を撮る ヘリコプター) に分けて考察しよう。

 マスコミ陸軍は、災害発生の直後から、被災者に各社が群れてマイクとカメラを向ける。 
取材は被災者が落ち着くまで待つべきだが、家族を失った直後の泣いている被災者に
「今の心境は?」と、マスコミ各社が群れてマイクとカメラを向けているのだ。

 一方、マスコミ空軍のヘリコプターも、災害直後から、被災地の上空を飛びまわる。
ヘリコプター数機の低空飛行による轟音が、生き埋め状態の人が発する声を かき消す
「人の生死を分ける大問題」が、自然災害が起きる度に指摘されている。

 ヘリの数は大抵5~6機。 「テレビ系列局数 = 新聞全国紙数」と一致する。 つまり、
マスコミ各社が「映像の見栄え」を競うように求め、群れてヘリを飛ばしているのだ。

 以上の報道実態を知る視聴者が「マスコミは、モラル(常識)と誠実さを もて!」と批判する。 
同感だが、その批判は表面的。 表面的な行動を生み出す本質にメスを入れる必要がある。 



「同業他社ばかり視て、顧客を視ない」と 思考が停まる

 本質とは、人の行動が「常識や誠実さより、承認や評価に大きく左右」されること。 
マスコミ陸空軍の行動を、ひとりの人(以下、取材者と記す)として、本質を掘り下げてみよう。

 家族を失って泣いている被災者(以下、顧客と記す)を目前に視たら、取材者は
顧客に今は取材してはいけないという「常識的な判断」かつ「誠実な対応」が出来るはず。

 しかし、その顧客を既に取材する同業他社を視ると、マスコミ界の評価制度に、どっぷり
浸かった取材者は、思考が停まり、正しい判断・対応が出来なくなる。

 この「思考停止」は、自治体や商店街の個人(公務員、商店主)にも、よく起きる。
顧客を視ず、同業他社の動向ばかり視ては、思考が停まり、横並び行動に走る。

 自治体の使命は「市民の満足度向上」。 だから、視るべきは「同業でなく、市民」。
しかし、自治体は同業他自治体に「抜かれる」ことを極度に嫌い、同業ばかり視るのだ。

 以下、マスコミと自治体の「思考停止で横並び行動」の弊害が分かる記事
新聞テレビの「タダで取材、発言一部だけ切り取る情報操作」お断り宣言
雇用を壊す「ブラック自治体」 ブラック企業より悪質で違法な手口
なぜ日本は 議員の質が悪いのか ~ 地方議員は無給が欧州の常識・良識



「同業他社より、顧客・市民を視て」考える・行動する

 マスコミや自治体が露呈する問題の根本的な解決策は、人を動かす根本となる
「評価制度」の改善にある。 マスコミ陸空軍の問題を3つに分けて掘り下げてみよう。

1 取材タイミングが早すぎる理由は「早さ」が評価基準だから
2 映像に悲惨さ・悲しさを求める理由は「映像の見栄え」が評価基準だから
3 他社が群れると「抜かれる」のが怖くて、思考停止に陥り横並び行動をとるから

 この3つの問題は「スクープ = 他社を抜く」を評価するマスコミ界が、抜く方法として
「早さ」「映像の見栄え」を最も重視する”評価制度”から生じる。 

 この「評価制度」を変えない限り、災害の度に同じ問題が繰り返される。
評価制度の基本は 「同業他社より、顧客を視て」思考・行動すること

 「同業他社より、顧客を視て、思考・行動」の重要性と内容が分かる記事
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     若者バカ者まちづくりネットワーク 主宰  地域再生プランナー 久繁哲之介

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