雇用を壊す「ブラック自治体」 ブラック企業より悪質で違法な手口

ブラック自治体とは?  雇用など違法行為を繰り返す自治体

 ブラック自治体の違法行為による被害者が増えている! 
ブラック自治体とは、地域社会や取引相手など「役所の外部」に対して、雇用などで
違法行為を繰り返す自治体のこと。 

 新語・流行語大賞に昨年、選ばれた ブラック企業(出典wiki) の定義も、本来は
企業の外部と、不適切な関係を築き、違法行為を繰り返す企業」である。

 ブラック企業は近年「企業の内部で、被雇用者に不利・不適切な雇用関係を築き、
違法行為を繰り返す企業」という定義で多く使われるが、当研究は本来の定義を使う。



ブラック自治体は、外に厳しく、内部の公務員は優遇しすぎ

 本来の定義を使う理由(研究の背景)は主に、次3点。

1) 自治体は「内部の公務員には、高給で優遇しすぎ」なので研究対象外とする。
 参考記事 高校生 なりたい職業1位が 公務員で、日本は大丈夫? 公務員改革の本質

2) 公務員の大規模リストラを断行し始めた自治体もあるが、未だ波及していない。
 参考記事 東京・足立区役所が行政職も民営化~職員数は5600人から3500人へ

3) 自治体が「外部に発注する人件費は、違法に低すぎ」て、雇用を創出すべき自治体が
  雇用を率先して悪化させている。 以下、ブラック企業も驚く事例を3つ紹介する。
 
 事例1 大阪市がデザイナーを「1年契約、報酬なし」で募集、批判が殺到
 事例2 大阪市が今度は、月給11万円で実質75万円の仕事を非正規で募集
 事例3 東京・足立区役所の指定管理者制度は、時給180円という違法行為



自治体の違法行為を暴いた 上野千鶴子先生の意図

 東大名誉教授で著名な作家でもある 上野千鶴子先生(以下、敬称略) が今年3月、
講演を依頼した自治体(山梨市)から、中止を一方的に宣告された事件が話題になった。

 この事件は、著名人の上野がマスコミを巧みに利用して「世論を味方につけた」ことで、
外圧に弱い自治体(山梨市)は、ビビって中止を撤回、講演会を予定通り開催する結末を辿った。

 上野が受けた被害、つまり「自治体が講演を依頼後、一方的に契約破棄する違法行為」を
私も何度か体験しているので、上野とマスコミの言動には、強い関心を寄せていた。

 この事件を報じた以下「マスコミ記事、上野のブログ」は世間へ、次の事実を明らかにした。
事実1) 自治体が講演を依頼後、一方的に契約破棄する違法行為が常態化している事実
事実2) 自治体から一方的に契約破棄された私を含む被害者は、泣き寝入りしている事実

上野千鶴子が 山梨市へ契約不履行に伴う訴訟? と報じる「朝日新聞 3/15」記事
山梨市の講演会中止に激怒する「上野千鶴子のブログ 3/15」      ~資料1
山梨市の講演会中止撤回に勝利宣言する「上野千鶴子のブログ 4/3」 ~資料2



自治体の「男女平等は口先だけ、女性軽視の事実」も暴く

 上野は資料2で「自治体による”講師ドタキャン事件”は枚挙にいとまがない」と言い、
被害者の著名人を実名で何人も挙げている。 名前の挙がった被害者は全て「女性」。

自治体は、男女平等とか言うけど、実は女性を軽視している」事実も、上野は
主張したい様だ。 この主張と、自治体による”講師ドタキャン事件”被害者リストは
上野が当事件の半年前に出版した『女たちのサバイバル作戦』で既に公開されている。

 山梨市が上野の講演会を中止した理由の一つに、同書による「自治体の批判」が
あると私は推測する。 推測の理由は「役所の論理」の項で後述する。



被害者が泣き寝入りする理由は、自治体の財源が税金だから

 さて、なぜ被害者は今迄「泣き寝入り」してきたのか?
自治体から講演依頼を何度か一方的に契約破棄された私の考えを言おう。

「自治体は訴訟されたら、税金を使う」から。 つまり「税金ムダ遣いは避けたい」から。

 この私見から、講演料10万円レベルの話で「自治体を訴訟する!」と、脅す上野と
報じるマスコミは、世間に真実を公開した功績は認めるが、自覚が足りない。 

 つまり「上野は東大名誉教授の公人、マスコミは公器」と自覚してほしい。 一方、
自治体は「自治体は公器」という自覚に加え、違法行為を止める自覚が必要である。



違法行為の発生は「訴訟される=責任を取る」リスクに比例

 自治体が外部へ犯す違法行為は「表面化しにくい、訴訟されにくい」理由を説明したが、
訴訟されるリスクの程度が官民では全く違うことに注目したい。 具体的には次の2点。

1. 訴訟されたら、企業は利益減少など社会的制裁を受け、倒産するリスクさえある。
  一方、自治体は売上や利益の心配は無用である。

2. 訴訟財源が、企業は自主財源であり、訴訟費用が大きいと赤字になるリスクがある。
  一方、自治体の訴訟財源は税金である。 赤字になる心配も無用である。

 自治体は法を犯しても「売上減少など社会的制裁は受けない、裁判・賠償費用は税金で払う」
から安易に、違法行為を繰り返す「ブラック自治体」と化していく。

 そう、違法行為の発生は「訴訟される(責任を取る)リスクに比例」する。 その典型例が
国分寺市が稚拙なパチンコ出店阻止~損害賠償4.5億円を税金ムダ遣い 事件である。



地域・市民の幸せより、自分の保身を優先する「役所の論理」

 自治体に最も必要なのは「責任を取る」こと。 違法行為や失敗の責任は勿論、
「地域・市民の幸せに貢献する公務員」個人には、プラスの責任(評価)も必要である。

「地域・市民の幸せに貢献する公務員」が実は多く存在することを私は知っている。
しかし残念なことに、彼らの熱意・企画は自治体幹部に潰されることが多い。

 上野や私が、自治体からの講演依頼を一方的に契約破棄された事件もそうである。
例えば、上野は資料1で、講演会が中止された理由を次のように記している。
「自民党の市長が、安倍政権を批判する自分(上野)を気に入らない」

 要するに「自分(の所属する政党・自治体)の悪口を言う可能性のある講師は
気に入らない」から、講演会を中止したと上野は言う。 

 私の場合も同じ。一方的に「講演会を中止(契約破棄)した」理由を、
某自治体の担当者は匿名を条件に次のように話してくれた。

「担当部署が私の講演会を決定後、稟議を上げると幹部はこう言って潰した。
”箱物事業に否定的な久繁は、うちの施策を厳しく言及しそうだね” と」

 担当部署は、現状の箱物事業では地域再生は絶対ムリと 正しく認識し、
地域を再生したいと願うから、私の話を市民を交えて聞く講演会を決めた。 

 しかし、幹部は「地域の再生より、自らの保身・メンツこそ重要」なのである。 
自分の保身の為なら、契約破棄という違法行為さえ部下に命令するのだ。

こうして、自治体の施策は(自分たちが失敗した)前例を踏襲し続ける…
こうして、自治体が開催する講演会・委員会は、御用学者・エセ評論家ばかり起用される…

関連記事 里山資本主義のウソ ~ 失敗を成功と粉飾 ~ これぞ『地域再生の罠』



失敗を隠す為 = 批判されない為、前例踏襲と違法行為は続く

 編集後記)上記と同じ話が、名著『失敗の本質』で次のように紹介されている。
「太平洋戦争時、日本軍の幹部は”国民の命・幸せより、自らの保身・メンツを守る”為
だけに勝算が無い、戦略も無い”前例を肯定する無謀な戦いの継続”を、国民に求めた」


 昨日8月15日 は 終戦記念日だった。 毎年この日、私は「日本軍の幹部が
”国民の命・幸せより、自らの保身・メンツを守る”為だけに勝算も戦略も無い”
前例を肯定する無謀な戦いの継続”を、国民に求めた」事実に胸を痛める。 
 
 この事実を早く認めていれば、故郷の「広島に原爆は落ちなかった。
多くの国民は死なずに生きることができた」 という 切ない思いに駆られる。
 そんな思いと、自治体が講演会を一方的に中止する理由が重なって、このブログを書いた…


  
     若者バカ者まちづくりネットワーク 主宰  地域再生プランナー 久繁哲之介

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