成功の猿真似は 失敗すると警告した『地域再生の罠』が増刷 「10刷」 御礼

 拙著『地域再生の罠』の増刷 「 10刷 」 が 決まりました。
10刷 まで到達できたのは、ひとえに読者の皆様のおかげです。 御礼申しあげます。

9刷お礼の記事 「ベストセラーの書き方」 に異議を唱えた 『地域再生の罠』が増刷 「9刷」御礼
に続き、今回は「成功事例の猿真似は失敗する」研究に開眼した話をします。


 IBM新入社員時代、先輩から以下「囲み部分」の話を聞き、いたく共感・納得!
この経験から私は「成功事例の見方、活用法」を研究するようになった。

 成功事例と言われるものを猿真似する前に、どんな見方・視点をもつべきか?
ケーススタディとして以下の話に「複数の見方・視点」を考えてみよう。

シェーキーズ(Shakey's = アメリカのピザ・チェーン店) が1973年に
IBM本社(六本木)に近い赤坂に一号店を開業した時の話をしよう。

 来店客が少なすぎて「日本に進出して即、撤退か?」という厳しい状況の中、
店員がアメリカ本社から指示されたマニュアルを無視して、独自の判断で
店内の照明を(アメリカで成功している店より)かなり明るくしてみた。 結果、
来店客数が一気に増えた。 この失敗と成功から学ぶべきは次3点。

1) 地域毎に 「文化は違う、顧客のライフスタイル・好みも違う」
2) 文化などが違う場で 「成功した事例の猿真似は必ず失敗する」
3) 上司の指示や前例を鵜呑みにせず 「顧客視点で考えると成功できる!」


 上記3点は、ビジネスや地方創生事業の基本である。 この応用を以下に説明しよう。



1. 同業者を真似ると、レッド・オーシャン(過当競争) vs
  異業種に学ぶと、ブルー・オーシャン(ひとり勝ち)


 上例は「文化が違う同業者の成功事例を猿真似して失敗」する象徴。 
この応用として「異業種で、文化が近い成功例からヒントを得る」ことは有効。

 凡人ほど同業者のことばかり「気にする、真似する」から、仮に真似が成功しても
皆が真似するから「レッド・オーシャン(過当競争、価格競争)」に陥る。 

 皆が猿真似して、同じ物ばかり流通すれば、価格を安くしないと売れない。 これは
日本のデフレ長期化の一因かも? ( 『デフレの正体』と言えば、ウソつき だから自重)
 


2.猿真似で同じ物ばかり作る日本は、デフレが長期化 vs
  デフレ脱却には、異業種にヒントを求め、顧客価値を考える


 シェーキーズが日本に進出した1973年の2年前、マクドナルドが銀座に
日本進出を果たし、大成功していた。 日本の顧客が、赤坂のピザ屋「シェーキーズ」を
比較する対象は、アメリカのシェーキーズではなく、既に東京へ出店して成功していた
異業種の「マクドナルド」にあったと、日本シェーキーズ店員は解釈したと私は推測する。

 つまり、日本シェーキーズの成功要因は、異業種に学んだ「ブルー・オーシャン」!
でも、異業種に学ぶだけでは「ブルー・オーシャン(ひとり勝ち)」には、なれない。
 何が足りないか? 顧客の価値を考えること、その価値に一貫性をもつこと!



3. 顧客の価値を考える。 価値に一貫性をもつ。

 照明を暗くして、どんな顧客が「喜ぶ=価値を感じる」か?
「大人(特に、男女ふたりきり)の関係」を良好にしたい「カップル客」ですよね。

 アメリカのシェーキーズは、カップル顧客層を狙って、店内の照明を暗くして成功した。 
しかし、日本人顧客はシェーキーズを(メニューやインテリア等から見て)
カップル向けの店ではなく、マクドナルドと同様「ファミリーや友人グループ向け」と見た。

 つまり、照明は「カップル客向け」だが、メニューやインテリアは「ファミリー客」だった…
顧客の価値を考えて決めたら、店内すべての領域で、価値を統一する店づくりが必要!

 この意味が分からない方は「ディズニーランド」という異業種の成功例に学ぶと良い。
では、本日の纏めです。


1) まじめな人(特に、公務員)ほど、失敗したくないから、他者の成功を真似て、失敗してしまう。
  成功例や前例、上司の指示は鵜呑みにせず 「顧客視点で、顧客の価値を考える

2) 成功のヒントは「同業種だが、顧客ライフスタイルや文化が違う」前例の真似ではなく
  「異業種で、あなたの顧客の文化・ライフスタイルに近い」例の 顧客価値 に注目

3) 価値の軸を決めたら「メニュー、インテリア、照明」などの価値を統一する



     若者バカ者まちづくりネットワーク 主宰  地域再生プランナー 久繁哲之介

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ジャンル : 政治・経済

地方創生とは 子供が遊ぶ・育つ仕組みを創る事: 事例『もくもく~木育広場』

「子どもの声が煩い」クレームで、お外で子供が遊べない

 4年前に刊行した拙著『地域再生の罠』 8章で、以下の問題提起をした。

 幼稚園・公園など「お外で子供が、元気に遊ぶ」ことが難しくなっている。
高齢者から「子どもの声が煩い!」という猛烈なクレームが主な理由である。

 高齢者のクレームにより「お外で子供が、元気に遊ぶ」ことを自粛する公共空間
(幼稚園や公園)が増え、郊外の閑静住宅地で深刻な社会問題となっている。

コンパクトシティで安易に高齢者を街中に集めると、幸せになれない人が増える。


『地域再生の罠』では、解決策も提案しているが、4年後の現在、この問題は更に深刻化、
地方都市の衰退も進んだ。 そこで、最新の状況・事例を踏まえた提案を示したい。



社会問題は、ビジネスや地方創生事業のチャンス

 深刻な社会問題を見聞すると、政治家など凡人は「社会問題としてだけ」論じて終わる。
しかし、優秀な事業家は、深刻な社会問題から「大きなビジネス・チャンス」を見出す

 そう、ビジネス・事業は「社会問題が深刻なほど、人の悩みが深いほど」成功できる! 
国会で話題の地方創生 (衰退が深刻な地方の再生) は、この視点で考えるべき!

 つまり、地方創生(地方に、仕事を創る) と、深刻な社会問題の解決 をリンク させる!
仕事って、人の悩みを解消(人の欲望を満足)するもの! 無理に作るものではない。
 
 以下に、社会問題としての解決策「子どもの騒音への特権付与法」の提案と、
「子供が元気に遊べる、子供を育てる」ビジネス・事業化の提案を分けて考察する。



提案1 「子どもの騒音への特権付与法」の制定

 ドイツは2011年、「乳幼児・児童保育施設及び児童遊戯施設から発生する
子どもの騒音への特付与法」を制定した。 ここで「ドイツと日本の共通項」に注目したい。

 両国の共通項とは、先進国有数の「神経質な人が多い国民性と、少子高齢化社会」。
ドイツでは日本と同様「子供の声が煩い」と、クレームをつける高齢者の多さに悩んでいた。



「子供が楽しくて発する声は、騒音ではない」という意識改革

 そこで「子供の声と、子供が過ごす施設が発する音は、騒音ではない」とする法を制定して、
ドイツ国民に「子供が楽しくて発する声は、騒音ではない」という意識改革を迫った

 そう、少子化など子供の問題は「子供への愛情、意識」が重要。 日本は小手先の施策で、
お茶を濁すことが多すぎる。 深刻な社会問題ほど「意識を改革」しないと、何も変わらない!



提案2 「子供が遊べる、子供を育てる」ビジネス・事業化

 日本は今、様々な理由から「子供が元気に遊べる、子供を育てる」場が求められている
このニーズ・社会問題に、うまく応えて事業化に成功している事例を紹介しよう。

 青森駅ビル「ラビナ」5Fに今年1月オープンした 『もくもく~木育広場』
運営(出店)者は、NPO弘前こどもコミュニティ・ぴーぷる 。 ←↑を クリックすると 分かるが

ぴーぷるは「普通のNPO」。 ここで質問。 なぜ普通のNPOが、JR駅ビルの最上階・5Fを
丸ごと使う大きな事業を、JR東日本から任されたのか? 以下の写真を見て、考えてみよう。 


青森駅ビルに、子供と遊べる施設『もくもく~木育広場』誕生

写真1) 『もくもく~木育広場~』は 「遊べる、学べる、育てる」場
青森NPO

写真2) 知的な遊具と、動的な遊具を 上手くミックス (モデルは運営するNPOの
 スタッフ。 念の為、彼女は遊んでいるのではなく、私の依頼に応えてのポーズ!)
mokumoku5.jpg

写真3) 他の子供と交流が生まれる場と、自宅感覚の場を 上手くミックス
 入場料は子供200円、大人300円。 家族4人1000円で1日遊べる!
mokumoku2.jpg

写真4)青森駅ビル「ラビナ」全景。 手前の駅前広場・公園は、市民いこいの場。
 『もくもく~木育広場~』は、ラビナ最上階のワンフロア全てを使う大きな事業
rabina.jpg



大都市の有名店より、地元NPOが「集客、地域」の力になる!

 質問の答えは、次の予備知識がある方が写真を見れば分かると思う。
駅前広場・公園の反対側には「アウガ」がある。 かつて成功事例として注目された
アウガは現在、大都市から誘致したテナントの多くが撤退し、瀕死の状態

 ラビナ の企画・運営は「JR東日本」 vs アウガ の企画・運営は「行政」
両者↑を クリックして、テナントを比較すると↑、面白い(ほど質問の答えが分かる)!

 女性ファッション・フロアの2Fに「法律事務所や眼科医院がある」とは、ビックリ! 
『地域再生の罠』で詳解した、撤退する直前の「宇都宮109」の状態に、ソックリ!



地域再生から地方創生へ名を変えても、学習しないと、また失敗

 4年前に刊行した『地域再生の罠』を、行政の方が読んでくれていたら、こんな
酷いことは起きないのに・・・ 「行政の方が学習しないと、まちは滅びる」と昨年刊行した
商店街再生の罠』で事例を幾つも挙げているので、読んで学習してほしいなぁ・・・



     若者バカ者まちづくりネットワーク 主宰  地域再生プランナー 久繁哲之介

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地域再生プランナー

Author:地域再生プランナー
久繁哲之介の見識が当ブログ、
以下の本でご覧頂けます。

『地域再生の罠』ちくま新書
『日本版スローシティ』学陽書房
『コミュニティが顧客を連れてくる~愛される店・地域のつくり方』
『商店街再生の罠』ちくま新書

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