両陛下は避難者を「同じ目線」でお見舞い。東京電力の「上から目線」と大違い

 前回の記事で、加害者の東京電力幹部が、避難所に座る被災者(被害者)に
立ったまま「上から目線」で謝罪した「事実を作る」虚偽を指摘しました。
  
  原発避難者に「上から目線で謝罪」した東京電力の幹部と『地域再生の罠』の共通点

 本日、天皇、皇后両陛下は都内に避難している被災者をお見舞いされました。
避難所に座る被災者に声をかける度、膝をついて「同じ目線」で優しく語りかける
両階下の御姿に感服しました。

 心の有無も、常識や品格の有無も、他人には「見えて、伝わる」ことを再認識しました。

hinanjyo.jpg


地域再生プランナー 久繁哲之介
日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり
(2008/04)
久繁 哲之介

商品詳細を見る

テーマ : 地域活性化のために
ジャンル : ビジネス

原発避難者に「上から目線で謝罪」した東京電力の幹部と『地域再生の罠』の共通点

 今週、以下写真をメディアで見た方は多いと思うが、皆さんは
東京電力幹部の謝罪と、彼らに目を合わせとようとしない避難者の姿、どう感じましたか?
 
 
3月22日、福島第1原発の地元大熊町から避難した「床に座る避難者」に「立ったまま
上から目線で謝罪」する東京電力幹部と、そっぽを向く市民の光景(Photo By 共同通信)
genpatu.jpg

 同じ現象・光景を見ても、全く「正反対な解釈(感じ方)」に割れるのが世の常。
この写真も、次2つの「正反対な解釈(感じ方)」に分かれると思う。

解釈1.上から目線で「心がこもってない」、謝罪されたとは感じられない(注)。
解釈2.目に見えない「心はどうでもいい」、謝罪した事実を作ったことに意味がある。

(注)こういう市民、特に弱者の本音は「大手メディアや行政は、光をあてない」ので、
表面化しないことが多い。市民・弱者の本音に光を当てるメディア・専門家は、たいてい
弱小なメディア・者となる。今回はスポニチが以下の報道をしている。
  http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/22/kiji/K20110322000477860.html
当報道の次部分に注目してほしい。 「渡辺里美さん(84)は鼓副社長が立ち去った後
「立ったまま『どうも』なんて、謝罪にならない。」
  


 正反対な解釈は「正反対な視点」と「正反対な感情vs論理」から生まれる。 
解釈1は「市民など消費者、今回なら避難者」の視点から”自然に湧く感情”であり、
解釈2は「行政など提供者、今回なら東京電力」の視点から”意図的に作られる論理”だ。

 まちづくりや地域活性化が失敗する本質には、この正反対な解釈の溝がある。
例えば、都市計画や中心市街地活性化計画の立案過程に「住民公聴会」等を設けるが、これは
「市民の意見を聞いた事実を作る形式」にすぎず、市民の意見は殆ど計画に反映されない。

 人の交流・営みは互いに「視線、視点を合わせる」配慮が必要不可欠である。
人は自分と「視線・視点を合わせようと努める」相手には、心が良い方向へ自然に動く。
しかし、視線・視点を「対等」に合わせようとしない相手には、絶対に心を開けない。
まして、加害者(東京電力)や公益団体(行政)から「上から目線で」見下される
市民の不快感は容易に想像できる。

 拙著『地域再生の罠』では、以上の「解釈の溝」、そこか生じる「市民の不快感」が
大きな地方都市ほど衰退し続ける構図を指摘し、この溝を埋めていくビジョンと施策を示した。
 
 しかし、解釈2の方(論理偏重者、土建屋、土建専門出版社)からの反論(いやがらせ)は
かなり陰湿です。解釈2の視点を、解釈1の視点へ近づける私の使命と活動、すなわち
「市民が豊かになる地域再生」は未だ前途多難な様です。


地域再生プランナー 久繁哲之介
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?
(2010/07/07)
久繁 哲之介

商品詳細を見る

テーマ : 地域活性化
ジャンル : ビジネス

脱「無縁社会」へ商店主の取組:第4話『北海道浦河町の小山さん』

 脱「無縁社会」へ商店主の取組 第4話は
北海道浦河町にて燃料販売店を営む小山直さん・祥子さん御夫妻です。

 浦河町は北海道の南東部海外部にある人口約1.4万人小さな町で
東北関東大地震の津波被災地の一つです。

 小山さんの御店「マルセイ協同燃料」は海岸に近く、被害を受けた様です。
本日は被災地と被災者を応援する気持ちを込めて、小山さんの心温まる取組を紹介します。


 小山さん御夫妻は、私が昨年12月に恵庭市で講演した折、浦河町から
片道2時間半かけて参加してくれました。この時の出会いを機に、
「マルセイ協同燃料」が毎月刊行するニューズレター「マルセイニュース」を
ご送付頂き、私は毎月たのしく拝読するようになりました。

 多忙な私は、送付されるニューズレターやDM(ダイレクト・メール)の99%は
読まずにゴミ箱直行なのですが、遠い浦河町の小さな燃料店が刊行するニューズレター
「マルセイニュース」は毎月必ず読むのは何故でしょう?

 その理由は「楽しいから読む」に加えて、「これぞニューズレターの見本」と
唸らせる”仕組み”にあります。

 この仕組みは、当連載の主旨「無縁社会を解消する”市民が繋がる”」が根底にあり、
「人(顧客)との繋がり」は、新たなビジネスを創出できたほど秀逸なものです。

 小山さんの例のように、ニューズレターはビジネスを成長させる可能性を秘めています。
そこに目を付けた経営コンサル等は、零細な小売業から経営相談を受けると
「ニューズレターを刊行しなさい」と真っ先に提案することが少なくない。
事実、ニューズレター刊行ノウハウを伝授する書籍・セミナーは人気が高い。
 特に、私が師と仰ぐ「神田昌典さん」「小阪裕司さん」の御著書には
ニューズレターの効用・ノウハウが非常に解りやすく説明された良著が多い。

 かくして、零細な小売業の多くがニューズレター刊行に挑むのだが、その殆どは
「作業に金と時間がかかる割に売上が上がらない。配布しても読んでもらえない」
壁にぶちあたり、ニューズレター刊行を途中で止めてしまうのが実情です。
 
 これを消費者(読者)志向で考えてみましょう。 読者の皆さんも私と同じように
送付されたニューズレターやDMの99%は、読まずにゴミ箱直行ではないですか?

 注目すべきは、ゴミ箱直行のニューズレター・広報誌・DMの過半は
広報の専門家が、時間と金をふんだんに使い作成していることです。
 ニューズレターも地域再生計画も、「専門家が机上で作成したものは
端から読まれない。読んでも全く共感されない」
点で共通しています。

 そこで、店舗経営者と地域再生担当者は是非「マルセイニュース」を参考に
「読んでもらえて&共感されてビジネスに繋がるニューズレターの秘密」を掴んで下さい。
 
 マルセイニュースの一部、作成の舞台裏、読者との繋がり等は以下↓
「マルセイブログ」で閲覧できます。   http://marusei-gs.jugem.jp/?eid=315

 てっとり早く「答え」だけが欲しい地域再生担当者の為に
「読んでもらえて&共感されてビジネスに繋がるニューズレターの秘密」
の一部を以下に解説します。


秘密1.儲けたい「提供者の下心」を、顧客(読者)に感じさせない 
 
 商いや恋愛に下心はあって然るべきですが、儲けたい(やりたい)下心を
露わに出せば、顧客(異性)は必ず逃げます。

 顧客(異性)と関係を創る初期段階(初期デート)で、皆さんはどのような
「戦略(デートコース)」を計画しますか?

 マルセイニュース第1面は「地域の美しいが、埋もれる光景」を写真で魅せます。
写真1と2を見た町民は、我が地域に誇りと愛着をもち、その素敵な想いを
マルセイと町民が、そして町民同志が共有して「繋がる」のです。
 
 カップルが初期デートで「海を見に行き」美しい光景を二人で共有するのと同じです。
ここから第2の秘密を導ける。

秘密2.美しい経験・物語を、顧客(読者)と共有・共感する

 ここで舞台裏を吐露します。小山さんが光景写真を第一面に掲載し始めた理由は
「外出が困難な高齢者など町民が少なからず存在」することを知り、彼らに光景を
見せてあげたいという「純粋な優しい気持ち」にあります。
 秘密2の効果を小山さんが実感したのは、始めてから数年後のことだそうです。
ここから第3の秘密を導ける。

秘密3.見返りを求めない「Giveの心」が、顧客(読者)の心を掴む

 マルセイに親近感を抱き始めた顧客(読者)は、近所の町民に
クチコミで「あなたもマルセイの顧客(読者)になると良い」等と言ってくれて
顧客(読者)が増える


 更に、マルセイに親近感を抱く顧客(および読者)とマルセイは、商取引の折に
「商いを超越した仲間としての会話・交流」が芽生える。例えば、
「結露に困ってる。高齢者一人で家掃除は困難」という何気ない会話からマルセイは
新たなビジネス「ハウスクリーニング」を創出する。
 ここから第4の秘密を導ける。
 
秘密4.ビジネスチャンスは「顧客との自然な交流」から生まれる

 マルセイは新規事業「ハウスクリーニング」にも、ニューズレターの仕組みである
「市民との繋がり、顧客へ楽しさをGive」を模索する。マルセイ社員5人が昔の
人気TV番組「秘密戦隊ゴレンジャー」を彷彿させる姿で顧客宅へ伺うことにした(写真3)。

 この取組で、町内の子供達は「ゴレンジャーに会いたい」と言い
マルセイへ訪れるようになり、マルセイは町内の老若男女から広く愛されています。
(マルセイブログ関連記事 http://marusei-gs.jugem.jp/?eid=317

 地域活性化もビジネスも、一人では外出も消費も困難な「子供と高齢者」は
対象から外しがちですが、「子供と高齢者に配慮するマルセイ」は、町内の人気ものです。
 ここから第5の秘密を導ける。

秘密5.子供と高齢者の心を掴む御店・地域は愛される

 
 読者の皆さん、北海道へツーリング等で出かける折、浦河町へ立ち寄り
美しい夕日と、心豊かな町民との交流を堪能しましょう!
 

写真1 浦河町の夕日は「夕日で町おこし」で有名な愛媛県双海町と遜色ない美しさ
浦河の夕日1

写真2 夕日がしずみ海と雲の色艶が変わり、違う顔を魅せる浦河町
浦河の夕日2

写真3 浦河町のゴレンジャーこと「マルセイクリーン部隊」
   写真中央(水色)が小山直さん、左から二人目(緑色)が小山祥子さん
浦河ゴレンジャー


地域再生プランナー 久繁哲之介
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?
(2010/07/07)
久繁 哲之介

商品詳細を見る

テーマ : 地域活性化
ジャンル : ビジネス

2月28日に提出した「大分県日田市長へ意見書」の回答を頂きました

 2月28日に提出した「大分県日田市長へ意見書」の回答を本日、頂きました。

「大分県日田市長へ意見書」の内容は以下エントリを御覧ください。
   車優先で衰退する観光地・商店街を再生する為「大分県日田市長へ意見書」提出

 私は意見書の結文に「返答内容と返答に要した期間等は、私の次著作等で公開して
日田市民が豊かになることを日田市長様と共に目指す所存です。」と記しました。
 佐藤陽一市長、予告通り頂いた「大分県日田市長へ意見書」の回答を公開します。


久繁 哲之介 様    
             日田市長宛て意見書の回答

 拝啓、今回は当市へのご意見につきまして、ご回答させていだだきます。
貴殿の意見は十分理解できますが、豆田は20数年前までは、寂れた商店街でございました。
 そこで、現観光協会長が古い建物を利用した店舗を開店してから、徐々に歴史的町並みが
見直され、行政も電線地中化で歴史的町並みを活かすことへ協力したしました。
 そして、今も豆田の町は商店街であり、生活場所であり続けています。
加えて、上町通り(一部県道)は南北に抜ける幹線道路でもあり、公共交通バスも走行している。
朝、夕には交通量が非常に多い生活道路でございます。
 最期に、市としましては、車の排除はひとつの将来像として取り組まなければならない
と考えておりますので、今後、観光と生活との両立を、地域住民や市民とどうあるべきか、
協議、検討をすすめて参りたいと存じます。



 
 佐藤陽一市長の回答と、私の意見とを、比べ読んで注目すべきは先ず
両者は「視点も思考・志向も正反対といえるほど異なる」ことです。
 そして、首長など街づくりに絶大な権力を持つ者の殆どは
日田市の佐藤陽一市長と同じような「視点、思考・志向」であることです。

 両者の視点や思考・志向が、いかに違うかを「次の視点」から考察しましょう。

市民の生活場所を「車の交通量が非常に多い道路」に変えてしまった現状認識と責任 

 佐藤陽一市長をはじめ街づくりに絶大な権力を持つ者の殆どは、この現状を肯定し
御自分には責任が無いと考えます。
 つまり、市民の生活場所を通る道は「人より車が優先されて当然」という思考です。
この思考は厄介なことに、やたら「道路や箱物を造りたがる」土建志向が強い。
 土建志向では、街や商店街の「寂れているか、活性化しているか」の基準は
「道路や箱物の見栄え」にあり、「市民の豊かさ、安心・安全」は疎かにされる。 

『地域再生の罠』は、岐阜市(第4章)や松江市(第2章)を例に、
この思考・志向では「地方も市民も豊かになれない」現実を説きあかし、
「車や道路・箱物より”人の豊かさ”が優先される」地域づくりを主張します。

 日田市豆田の場合は、上町通りと下町通りという近接する2車線道路が並走しているので
「一方通行で車優先空間を確保しつつ、空いたスペースを人優先に変える余裕」が十分にある。
この施策は大阪など大都市でも導入が進んでいます。
 そして、市民の生活場所を安全・安心して歩けることを願う日田市民の皆さん
(特に、私と共に車からクラクションを鳴らされて塀ぎりぎりまで逃げた御婆ちゃん)
の御姿や御声に触れて、佐藤陽一日田市長へ意見書を提出するに至りました。
 
 今回の市長回答を踏まえて、私は「地方と市民が豊かになる」地域づくり・地域活性化を
より強力に推進していきます。

日田は車優先


地域再生プランナー 久繁哲之介
日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり
(2008/04)
久繁 哲之介

商品詳細を見る

テーマ : 地域活性化のために
ジャンル : ビジネス

震災復興も地域再生も重要なのは「人(被災者)のケア、支援のスピード」

 東日本大震災の被害に遭われた方へ、心からお見舞い申し上げます。

 震災関連被害(原発や無計画停電、その情報提供のデタラメさ)は未だに続き、
世間の関心が(そちらに奪われて)「被災者支援、震災復興」に向きにくい現状を懸念しています。

 大事件後の「情報提供のデタラメさ」は、もはや定番と化している。
その理由は、責任回避もあるが「リスク管理の欠如」が大きく影響していると思う。
 つまり「こんな大事件が起きるとは夢にも思っていなかった」から、
いいわけも対応策も用意していないので、説明(記者会見)でデタラメを言うのだろう。

 百貨店が撤退して「地方都市が衰退する大事件?」もコレと同じ。
百貨店の地方撤退は90年代後半から始まっているのに、今もなお関係者は撤退後に
「地域の顔である百貨店が撤退するとは夢にも思っていなかった」と慌てふためく。

(今、東京で震度4の地震あり。静岡は震度6強の模様。皆さん大丈夫ですか?)

 話を本題に移そう。
今回の「被災者支援、震災復興」に私は、できる限りのことをしたいが未経験なので
情報収集から始めた。例えば、以下資料はネットで閲覧できます。

兵庫県作成:阪神・淡路大震災復興の記録・計画
  http://web.pref.hyogo.jp/town/cate2_206.html
東京都作成:震災復興グランドデザイン
  http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/gd/honbun.htm

 私は上記資料など現在の「被災者支援、震災復興」に以下の問題を感じた。

 復興計画の「器やデザインなど見た目は立派」だが、
「震災者の(心の)ケアに欠け」ているし、「支援や事業の実現が遅すぎ」
る。

 拙著『地域再生の罠』で指摘した弊害は、震災復興にも見られます。
私は調査と研究を重ねて、今回の「被災者支援、震災復興」に貢献する所存です。


地域再生プランナー 久繁哲之介
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?
(2010/07/07)
久繁 哲之介

商品詳細を見る

テーマ : 地域活性化
ジャンル : ビジネス

プロフィール

地域再生プランナー

Author:地域再生プランナー
久繁哲之介の見識が当ブログ、
以下の本でご覧頂けます。

『地域再生の罠』ちくま新書
『日本版スローシティ』学陽書房
『コミュニティが顧客を連れてくる~愛される店・地域のつくり方』
『商店街再生の罠』ちくま新書

講演・執筆ご依頼は以下クリックして下さい。 電話は禁止!

カテゴリ
久繁哲之介の本
【楽天ブックスならいつでも送料無料】日本版スローシティ [ 久繁哲之介 ]

日本版スローシティ  (学陽書房)
価格:2,700円(税/送料込)

リンク(拙著書評、講演記録など)
最新記事
記事を検索
月別アーカイブ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QR